自社に利益を還元するレベニュー&プロフィットマネジメント

自社に利益を還元するレベニュー&プロフィットマネジメント

強い営業組織を作るための5つのマネジメントでは、以下の5つを紹介しました。

  1. テリトリマネジメント:マクロ的な観点からの市場動向の把握
  2. アカウントマネジメント:個々のお客様に対する自社の提供価値の定義
  3. ソリューションマネジメント:自社の提供価値の定義
  4. レベニュー&プロフィットマネジメント:自社に還元される利益計画
  5. リソース&スキルマネジメント:実行に当たっての人員構成計画

本記事では、レベニュー&プロフィットマネジメントについて紹介します。

レベニュー&プロフィットマネジメント

レベニューは売上、プロフィットは利益です。

見込み通り売上が上がらなければ意味がありませんし、売った結果もうけが見込み通り出なければ意味がありません。

見込みの精度は、個々の商談案件がクローズに近づくほど上がります。

きっちり組織で把握してフォローアップすることで失注を防いだり、利益が出ていないことに早めに気づき対策を打つことが可能になります。

レベニューとプロフィットの公式

  • 利益の見通し = 売上の見込み(フォーキャスト) - (戦略的投資費用 + 通常かかる費用)

通常かかる費用とは、人件費やオフィスなどの固定費のことです。

戦略投資は、注力顧客や売り込みたい新商品・サービスに対して行います。投資判断のもとは原資が確保できていることなので、売上の見込みが大事になります。

売上の見通しは以下のような式で考えていきます。

  • 売上の見込み = 受注済み案件の総和 + (提案中案件 × 受注確度)の総和

コンサルティングなどのプロフェッショナルサービスは、工事進行基準で進捗に応じて売上計上したり、タイム&マテリアルで作業量に応じて売上があがったりします。

ですので1.2億円で受注しても1年間の契約であれば毎月1,000万円ずつ売上があがることになります。そうなると、受注済み案件で継続的に売上が上がるものが一定量はあるため、まずはその総和がどのくらいになるのかを計算します。

次に提案中の案件がどこまで受注できて売上につながるかをみます。提案中の案件は、受注済み案件に比べて売上につながる可能性にばらつきがあるので、ここは受注確度をかけて見込みます。純粋に確率をかける場合もあれば、50%以上の案件だけを足すようなやり方もあります(確率半分未満の案件ばかりなのに足りていると見誤るのを防ぐため)。

営業会議や日々のマネジメント

計算式はシンプルでも、売上の見込み(フォーキャスト)の精度を上げるのは地道な労力の積み重ねです。営業担当、営業マネージャー、営業企画が連携しながら情報を最新化し、変化を察知し必要になったら迅速な対応を行っていくことが大事です。

継続してあがるはずの売上があがらなくなること、確度が高いはずの案件が失注あるいは金額縮小、あるいは開始時期が後ろにズレこむことはどれも珍しくありません。

適切にアクションをとるためにこそ数字の精度をあげておくことが大事になります。

終わりに

本流の商談交渉と比べて数字の管理は裏側のものにみえがちですが、最終的に売上や利益につながるかどうかを握っているのはこの見込みの精度だなと思います。

このブログを書いている人
電子書籍「システム導入のためのデータ移行ガイドブック」著者。 新卒から外資系コンサルティングファームに所属。15年に渡り販売物流、特にCRM領域のコンサルティングに従事。 100名を超えるプロジェクトのPMOなど全体を推進していく役回りや、ユーザ企業への出向を通じた実務経験を持つ。

このブログでは、自身がかき集めた知識や経験を共有する。クライアントへの提案やソリューション開発に直結しないガラクタのようなもの。将来再利用する自分のために。同じような悩みを抱える誰かのためにブログ「元外資系コンサルのガラクタ箱」を運営