スティーブジョブズみたいにプレゼンできるかな【書評】シンプルプレゼンという記事の続きです。
資料ができあがったらあとはプレゼンターの話す準備のみになりそうですが、並行して進めることは他にもあります。
講演者と作り上げた資料の社内チェック(社内ルールを満たしているかのチェック)や、主張内容が社内の主張と齟齬がないかのチェックがそれにあたります。
本記事では、プレゼンで使用する数値が他の社内資料と齟齬がないか確認する観点を紹介します。
アリストテレスが説く優れたスピーチの3要素
古代ギリシャの哲学者であるアリストテレスは優れたスピーチには次の3つの要素が含まれると語っています(ガー・レイノルズ著 シンプルプレゼンより)。
- エトス(信頼感) 語り手の人柄
- パトス(情熱) 感情に訴える
- ロゴス(論理性) 理由や原因を説明する
プレゼンは論理だけでは不十分で誠実さや信頼性といった語りての人柄を見せ、情熱を交えて聴衆の感情に訴えかけることも大事だというのです。
ここで大事になるのは、聴衆はどうやって人柄を信頼するかということです。
学歴や企業ブランドで信頼することもあるかもしれませんが、講演で話している内容や資料に不備や不整合がないことは、信頼を獲得するため、いやそれ以前に信頼を損ねないために大切です。
主張に一貫性があると信頼感が生まれる
業界動向についてプレゼンテーションを行う場合、その市場規模を予測することがあります。
例えば、2030年に世界でA市場の規模は100兆円になると予測している一方で、2030年に日本、米国で同市場の規模は150兆円になると別の資料で予測しているとどちらが正しいのかわからなくなります。
伝える内容は少しずつ異なるため、常に同じ条件で比較可能とは限りません。
- 世界全体なのか、特定地域や国を指すのか
- いつ時点の予測なのか
- A市場に含めるものは何か、含めないものは何か
また、正確さを保つこともさることながら、聴衆に誤解を感じさせないことも大事です。
シンプルなスライドにする一方で、前提条件は明確にしておくことを忘れないよう注意ください。
終わりに
講演やセミナーを行う場合、規模の大きな企業では社内規定を満たしているかチェックする部門があるかもしれません。細かな指摘が多くて煩わしく感じるかもしれませんが、見た目の統一感も信頼を損ねずブランドイメージを保つ大事な要素です。
本記事で紹介した主張や根拠の一貫性とともに、社内規定を遵守することも気をつけてみてください。
完成まであと少しです。