新卒でコンサルティングファームに入社したころ、アカウントリレーションシップマネジメントという営業組織向けの方法論がありました。
これは、アカウントマネジメントとリレーションシップマネジメントを同時に行うものです。
受け身の営業ではなく攻めの営業、属人的な点の営業ではなくチームによる面の営業を実現し、顧客との良好な関係を長期的に築き、顧客生涯価値を最大化する有用な方法論だったと記憶しています。実務経験のない新卒コンサルがクライアント先に出るには、何らかのあるべき姿を知っておく必要があり、このARMという方法論は参考になりました。
部門切り離しや買収で形を変えるうちにこの名前は姿を消しましたが、各社の営業プロセスにこの考え方は根づいていると思います。
アカウントマネジメント
ターゲッティングしたアカウントを徹底的に知り、アカウント課題を仮説検証し、自社オファリングをマッチングしオポチュニティを発掘していきます。
リレーションシップマネジメント
営業担当が個人のリレーションで営業をかけるのではなく、チームで営業を行い、現場を理解していたり意思決定ができるなどキーマンとリレーションを築いていきます。
おわりに
自社製品やサービスをプロダクトアウトするのではなく、アカウントごとの課題を深堀りし、価値ある解決策を提供するという発想は素晴らしいなと思いました。また、会える相手ではなく会うべき相手のところに行く、というフレーズもよかったです。
ソリューションを販売している法人営業なら多かれ少なかれこういうことをやっているはずです。
しかし、課題を分解してからソリューションとマッピングしたり、クライアント組織を分解してキーマンをリストアップしてから自社の営業からエグゼクティブで誰が誰とリレーションがあり、どう強化していくのかを一つ一つ検討してつぶしこんでいくことは、地道ながら確実なやり方だなと思います。
▼そんな話が、「悩み」のカベと「ヒト」のカベというキーワードで紹介されています。