日本の自動車業界における受注生産と見込み生産

日本の自動車業界における受注生産と見込み生産

日本では注文から納車まで顧客が待てる時間は約1か月が限界と言われています。トヨタ自動車では受注から納入までの期間は、平均して21日~31日だそうです。

完成車在庫はJIT(ジャストンタイム)を行っているため、メーカー持分はゼロとのこと。2000年の数字なので少し古いですが、20日前後分のディーラー持分があるそうです。

受注生産を実施しているのになぜ在庫が出るのでしょうか?

ディーラーの注文に対する受注生産だから在庫が発生する

最終顧客の注文に対する受注生産であれば原則として在庫は発生しないはずです。しかし実際にはディーラーの注文に応じた生産を行っているため、ディーラーが見込んでいる分だけズレが発生します。

また新車効果が薄れた後の値引き慣行や、新古車問題の原因にもなっています。

顧客の注文に対する受注生産は可能か?

自動車の部品は3万点とももっと多くあるとも言われます。部品組み立ては完成車メーカーに納入するサプライヤーがTier1と呼ばれたりしますが、多い階層だとTier7くらいにまでなるそうです。

また、工場では日々の製造に向けてそれぞれのラインで何をどれだけ作るか計画を立てています。1~10日の小日程計画を立てる元情報として、1~3か月の中日程計画、さらに半年~1年半の大日程計画を立てて部品メーカー選定や協力を行っているのです。

つまり受注生産といえど、ほぼほぼ見込みに基づいて計画を進めておいて、最終的な変動に対応する形がほとんどなのです。

見込みの精度を上げるための需要予測

そこで、いかにして見込みの精度を上げるかが重要になってきます。多階層にわたる部品メーカーはなおさらです。数か月前から内示をもらいながらも最終的な変更にどう対応するか苦慮しているのが実情です。

魔法のような予測ツールは存在しないにしても、データを有効に活用して精度を上げていきたいところです。

 

▼本記事を書くのに参考にしました

このブログを書いている人
電子書籍「システム導入のためのデータ移行ガイドブック」著者。 新卒から外資系コンサルティングファームに所属。15年に渡り販売物流、特にCRM領域のコンサルティングに従事。 100名を超えるプロジェクトのPMOなど全体を推進していく役回りや、ユーザ企業への出向を通じた実務経験を持つ。

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