マスタ参照と実カラム持ちのメリットデメリット

マスタ参照と実カラム持ちのメリットデメリット

システムでデータを持つ時、特定の項目をマスタ参照することで常に最新の情報を表示が可能になります。

本記事ではマスタ参照と実カラム持ちのメリットデメリットについて整理します。

マスタ参照のメリット

何よりも常に最新の情報の管理が容易になります。営業担当者の所属部門が変わった場合を例にします。

所属部門名は商談情報や活動情報など複数の画面で使用します。これらを、ユーザマスタの所属部門を変えるだけで全て変更することができます。

マスタ参照のデメリット

しかし常に最新になるため、ある時点の断面情報を残しておくことはできません。2016年はA部門の売上だったものが、マスタ参照によってB部門の売上に変わってしまうと集計結果に影響が出てしまいます。

常に最新が正しいとは限らないのです。

実カラム持ちのメリット

終わった活動情報の担当部門は実カラム持ち、最新の担当が必要な商談情報はマスタ参照、など使い分けた設計が考えられます。

実カラム持ちは、画面表示やバッチ処理のレスポンスにもよい影響があります。1項目だと差は出ませんが、多数のテーブルから参照し、そのデータ件数が多い場合は影響が出てしまうことがあります。

実カラム持ちのデメリット

実カラム持ちした場合のデメリットとして、洗い替え処理が必要になります。マスタ参照ではマスタのみを変更すればよかったのに対して、実カラム持ちの場合は、マスタを変更すると同時に実カラムで持っているデータも合わせて変更することが必要になります。

マスタ参照か実カラム持ちかは、将来の運用に影響を与えますので慎重な設計をするようにして下さい。

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このブログを書いている人
電子書籍「システム導入のためのデータ移行ガイドブック」著者。 新卒から外資系コンサルティングファームに所属。15年に渡り販売物流、特にCRM領域のコンサルティングに従事。 100名を超えるプロジェクトのPMOなど全体を推進していく役回りや、ユーザ企業への出向を通じた実務経験を持つ。

このブログでは、自身がかき集めた知識や経験を共有する。クライアントへの提案やソリューション開発に直結しないガラクタのようなもの。将来再利用する自分のために。同じような悩みを抱える誰かのためにブログ「元外資系コンサルのガラクタ箱」を運営

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