NLP(Neuro-Linguistic Programming、神経言語プログラミング)について話を聞く機会があったのでまとめておきます。
NLPとは何か
NLPは、1970年初頭、カリフォルニア大学の心理学部の生徒であり数学者だったリチャード・バンドラーと言語学の助教授だったジョン・グリンダーが心理学と言語学の観点から新しく体系化した人間心理とコミュニケーションに関する学問です。
(日本NLP協会サイトより)
世界的に有名なコーチ、アンソニー・ロビンズ(NLPを学んだメンタルトレーナー)が低迷していたテニスプレーヤーのアンドレ・アガシをコーチし、世界一に復活させたという話もあります。
セラピーやカウンセリングからコーチングまで幅広く活用されている手法です。
それでは講師から聞いた話をご紹介します。
世の中の大半の問題は人間関係の問題
反論もありそうな主張ですが、問題を関係者すべてが問題だと感じなければ、それはもはや問題ではありません。
社会で生活する以上、問題の多くは人間関係に関するものだというのは納得がいきます。
では人間関係の問題がどう生じるか考えてみましょう。
AさんがBさんに職場で怒ったとします「もっとちゃんとした資料作ってこい!」
自分なりにはちゃんとした資料を作ったつもりだったBさんはショックを受け、お腹が痛くなりました。
同じ日に、AさんがCさんに職場で怒りました「もっとちゃんとした資料作ってこい!」
Cさんはどこがちゃんとしていないのですか?とAさんに確認し、資料を修正しました。
Aさんが BさんやCさんに「もっとちゃんとした資料作ってこい!」と怒るのは出来事です。
出来事は、ネガティブな感情を生み身体に影響を及ぼします。
BさんはAさんに怒られてショックというネガティブな感情を抱き、お腹が痛くなるという身体への影響が出ました。
出来事は変えられないがネガティブな感情は解放することができる
NLPでは、起きてしまったことは変えられなくても、その後のネガティブな感情を解放することは可能だとされています。
Aさんに怒られても、Cさんが対応したようにネガティブに感じず対応する方法があります。
その方法が同一化と脱同一化です。
同一化とは主観的にイメージすること、脱同一化とはその環境にいる自分も含めて外からイメージすることです。
怒られた側は、その環境を客観的に見るべく脱同一化をはかります。
主観的に記憶をさかのぼると、残業を数日重ねて仕上げた資料のどこがいけなかったのか?なぜここまで強く怒られないといけないのか?などその場のネガティブなイメージを追体験してしまいます。
これを少し離れて見ることで、同じ日にBさんも同じように怒られている。そういえば朝Aさんはその上司のDさんに怒られていて機嫌が悪かったのかもしれない。
だとか、Aさんは資料の構成がぐちゃぐちゃだと見る気をなくしてしまうのに、手直しした時に目次がおかしくなっていた、ということに気づくこともできます。
逆に、Aさんの立場に立つと、なぜBさんもCさんもちゃんと資料を作ってこないのか!とネガティブな怒りを持ち続けるのではなく、BさんやCさんの立場で主観的にイメージしてみると見えてくることがあるかもしれません。
残業続きで仕上げた資料の本編を見てもらえずに叱責されて頭が真っ白になってしまった。自身も時間ぎりぎりまで資料を作った時に目次まで気が回らなかったところを理解し、叱責をこらえて本編の確認に進めばよかった、などと気づくかもしれません。
このように自分の立場、相手の立場、第三者の立場を意図的に切り替えることを近くポジションチェンジというそうです。
NLPは無意識に働きかけるもの
私はあまりイメージトレーニングをやったことがありませんが、バスケットボールのフリースローのイメトレは、投げる練習そのものではなく準備動作などをイメージするそうです。
投げる動作自体はそれまで十分練習しているため、それよりも準備動作などをイメージしてその場にいる心境をイメージするのだそうです。
NLPでは、このようにイメージを使って価値観や信念を変えていきます。
脳が否定と肯定を区別できないから肯定形ですりこませることが重要
注意点として、脳は否定形を区別できないので、「やってはいけない」とイメージを続けるとやってしまいます。
そのため肯定形ですりこんでいくことが重要です。
おわりに
本記事は、NLPについて知らなかった私が、2時間の無料セミナーを途中から1時間程度聞きかじって書きました。新しい概念や理論に触れるとき、本を読み学ぶのもよいですが、誰かから話を聞くことは密度も濃くなるのでおすすめします。その後、マンガでやさしくわかるNLPを読みかじりました。機会があればさらに深く学んでみたいと思います。