既存データを調査して新システムとマッピングする手順はどのデータについても同じですが、マッピング設計時の注意点はデータごとに異なります。
本記事では、商品マスタを移行する時の注意点を紹介します。
商品マスタとは
企業が顧客に提供する商品を管理するマスタです。大きく以下のような情報を持ちます。
- 商品を特定するコード
- 商品をあらわす名称
- 商品の分類
- 価格
- 特徴
商品マスタの項目
商品マスタが持つ情報は上記の5種類だとしても、項目数は100を超えることが多いです。これは、同じ商品だとしても管理する部門によって管理する情報が異なるからです。
商品コードひとつとっても、
- JAN/EANのような業界標準のコード
- 自社独自の商品コード
- 仕入先のメーカー型番(製造番号)
- 納入先の顧客商品コード
などがあります。自社独自の商品コードがメインにはなりますが、こちらも海外の生産工場や、販社で扱う商品は別のコード体系になることが少なくありません。
商品名称についても、正式名称、商品名(通称)、カナ名称、英名などあります。
商品分類については、管理部門を明確にするための分類が多いですが、分析し手を打つために分類項目は増えていきます。また階層になるのも特徴です。
価格については単一のテーブルでは管理しきれないでしょう。商品の価格とは、売るための標準単価をベースに、様々な値引きなどの条件が設定されます。そのロジックと売価は商品マスタの関連テーブルとして管理されます。
販売単価以外にも、仕入単価や売上原価もあります。
商品マスタで扱う特徴は商品のサイズ、管理単位など様々です。いくつかの商品を組み合わせて一つの商品として扱うキット品などもあるため、何を商品として扱うかによってデータは増えていきます。
商品マスタの一生(作成から削除まで)
自社開発の商品は社内の開発ステップを経て商品化されたタイミングで新商品として登録されます。仕入商品も扱うことが決まると商品登録されます。システムとしては取扱開始日に先立って登録されるため、予約のようなステータスもあるので注意が必要です。
商品マスタは価格や管理部門など業務に応じて更新されます。
最終的には生産中止や取引中止になる少し前から在庫調整を行い、その役目を終えます。
移行時の注意点
移行に際して特別な加工を行うことはあまりありません。一方でとにかく管理する項目が多いため、新システムとの項目マッピングが重要になります。意味定義として異なるものをマッピングしてしまうと後々影響がありますので、実データを用いて、帳票やBIレポートで現新比較など検証されることをお勧めします。