本日2019年4月1日、新元号「令和(れいわ)」が発表されました。「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという意味が込められている」と安倍首相の談話で発表されました。
日本の『万葉集』の「初春の令月にして 気淑く風和ぎ 梅は鏡前の粉を披き 蘭は珮後の香を薫らす」という一節から取られているそうです。
これまで中国の古典からとられてきた元号が今回、初めて、日本の古典から選ばれました。
平成元年(1989年〜2000年)のプロジェクトマネジメント事情
平成元年は西暦1989年です。この頃のプロジェクトマネジメントといえば、PMBOKが1987年に米国PM学会でホワイトペーパーとして発表されてまだ2年。
PMBOKがガイド第1版として発表されたのは1996年です。まだ準備段階で、文書化や標準化はされていませんでした(PMBOK自体は2017年に第6版が発行)。
システム開発の手法としては、1985年にスパイラル開発が登場したものの、上流工程から滝の流れのように落とし込んでいくウォーターフォールが主流でした。
関連記事:プロジェクト手法は表面的な選択ではなくその特性を熟知し使うことが重要
平成11年以降(2000年代)のプロジェクトマネジメント事情
私が大学新卒で入社した2001年は、SAPやOracleなどの業務パッケージ導入が大人気で、グローバルナレッジとメソドロジーを掲げて新卒の大量採用が行われていました。
いちからシステム開発(スクラッチ開発)しなくても既に世界標準の成功事例(グローバルスタンダードのベストプラクティス)をカスタマイズして取り入れられるということで、スパイラルに近いプロトタイプ手法の方法論がうたわれていました。
しかしこうしたパッケージ導入といえど、追加機能の開発はプログラミングを伴いますし、他システムとの連携(インターフェース)開発など必ずカスタム開発を伴っていました。
一部プロトタイプやスパイラルを用いたウォーターフォール開発、が実態と言っても過言ではないでしょう。
XP(Extreme Programming)やFDD(Feature-Driven Development)、リーンなどの手法も登場しているものの、企業向けの業務システム開発において主流になる段階ではありませんでした。
平成21年以降(2010年代)のプロジェクトマネジメント事情
この頃にはクラウドが登場し、アジャイル開発も少しずつ耳にするようになります。
2010年にカンバンが、2011年にスクラムが登場したと言われています。
リーンスタートアップという書籍も流行し、固定的なプロジェクトマネジメントではなく、小さく作って柔軟に軌道修正しながら成果を刈り取っていくやり方が浸透し始めます。
終わりに
とはいえ企業向けのシステム開発においてアジャイルやリーンはまだまだ確立されていないと感じます。
経営層からは必ずこうした手法を検討するよう指示は出るとしても、規模が大きなシステムになればなるほど運営は難しいのが実情。
ある意味、令和が本当の意味でのアジャイルやリーン時代になるのかもしれません。