新卒でコンサルティング会社に入った私はマルチタスクを求められてきました。アサインされたプロジェクトの中でも複数のタスクを同時に並行しますし、複数チームにまたがることも、複数プロジェクトにまたがることも珍しくありません。
しかし、年数を経るほどにこのマルチタスクというものは結局はシングルタスクの切り替えなのではないかという感覚が強くなってきました。この切り替えは時間や心的な負荷がかかるため、一日に多く発生すると落ち着いて取り組むことの妨げになってしまいます。
ところがシングルタスクで同じことを集中的に取り組み続けてもアイデアが生まれず結果としてタスクが終わらないことはありえます。クリエイティブな仕事は特にそうです。
本記事ではマルチタスクとシングルタスクのメリットとデメリットを整理しつつ、私なりの使い分けを紹介します。
シングルタスクのメリットとデメリット
シングルタスクつまりひとつのタスクを終えてから次のタスクにうつるやり方は、途中で邪魔が入りません。また、切り替えにかかる時間や心理的な疲れも発生しません。
しかし、一見シングルタスクのように見えても実際には誰かに確認したり複数の種類のタスクを含んでいる場合もあります。また飽きや疲れが発生するとシングルタスクとはいえ一気に終えることはできず、脱線や中断のリスクはあります。
マルチタスクのメリットとデメリット
複数のタスクを同時並行して行うマルチタスクは、異なるもの同士が共鳴し関連性を見つけることができます。レオナルド・ダ・ビンチは乗馬と機械の歯車という2つのメモを結びつけることで「機械仕掛けの馬=自動車」を考え出しました。
しかし、マルチタスクをすると必ずいいアイデアを思いつくわけではありませんし、同時並行するからといって効率がよくなるわけでもありません。会議中のメール対応や、資料作成中に何度も電話応対をしているとむしろ効率は下がることのほうが多そうです。
こうしたマルチタスクの非効率さに着目した『SINGLE TASK 一点集中術 「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる』という本も注目を浴びました。
同種タスクを並行させない、異種タスクを一日の中に置く
実際は徹底してどちらかに寄っているわけではありませんが、一日にやることをリストアップした後に、順番まで決めておいて極力それに沿って進めるようにしています。どうしても他が気になったらそちらのタスクを先にやります。
そしてマルチタスクのメリットは異種のもの同士をぶつけることで関連性に気づき何かが生まれることだと思うので、同じ日にいくつか毛色の違うタスクを進めるとよい気がしています。
新しい時代の新しい働き方はこういうところから生まれてきそうです。