元外資系コンサルのガラクタ箱

次世代サプライチェーン実現に向けた課題と追い風

以下の記事を読みました。

政府が目指す次世代サプライチェーンとは?| 日経ビジネスオンライン

サプライチェーンとともにSociety 5.0という言葉が取り上げられています。政府が目指す姿に取り上げられることは追い風です。決して簡単ではありませんが。

Society 5.0とは何か

「Society 5.0」は政府の総合科学技術・イノベーション会議で検討され、2016年1月に閣議決定された2016年度から5年間の科学技術政策の基本指針「第5期科学技術基本計画」の中で使われている言葉です。

狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続くような新たな社会を生み出す変革を科学技術イノベーションが先導していくということで、5番目に出現すべき社会を目指し5.0がつけられています。

そこで「サプライチェーンの次世代化」が、「先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、『必要なモノ・サービスを、必要な人に、必要なときに、必要なだけ提供する』により、様々な社会課題を解決する試み」と定義されています。

サプライチェーンマネジメントに取り組むいちコンサルタントとしては、SCMが脚光を浴び、手法進化の追い風になるのであれば嬉しい限りです。

情報や仕組みだけでは実現できないサプライチェーン

一方で、

実際のビジネスの現場では、ただ情報が存在するだけでは、円滑なサプライチェーンは実現しない。

と記載があります。もう少し引用を続けます。

変わりやすい顧客ニーズの移ろいによって生じる情報の「変化」によって、サプライチェーンの維持には「調整」が不可欠だ。「調整」を省略するには、受発注内容の共有化だけではなく、双方の稼働率情報や、価格に影響を及ぼす原材料市況に関する情報を含めて、総合的な情報の共有化が必要になる。

本記事では、データ連携のプロセスが重要で、人力による調整なしに「同期」が実現し、「調整」作業が不要になれば、納期の調整や繰り上げ交渉が不要になる可能性を示唆します。

進んでいると言われる自動車業界も道半ばの情報共有

自動車業界は他の業界と比べて情報共有化が進んでいると言われますが、それでも完成車メーカーは代理店の需要ブレと格闘し、各階層のサプライヤーは納入先である完成車メーカーや上位サプライヤーの内示から確定オーダーまでの変更対応に奮闘しています。

冒頭に紹介した記事を読んで、「いいクルマをユーザが乗りたい時に乗れる」ようクライアントさんと知恵を絞ろうと思った次第です。

ただ、サイバー空間とフィジカル空間(現実社会)が高度に融合した「超スマート社会」というSociety5.0が描く未来の姿はよく見えません。実務で近眼になりがちな私はどうすれば遠くを見ることができるようになるのでしょうか。

mhisaeda

電子書籍「システム導入のためのデータ移行ガイドブック」著者。

新卒から外資系コンサルティングファームに所属。15年に渡り販売物流、特にCRM領域のコンサルティングに従事。 100名を超えるプロジェクトのPMOなど全体を推進していく役回りや、ユーザ企業への出向を通じた実務経験を持つ。

このブログでは、自身がかき集めた知識や経験を共有する。クライアントへの提案やソリューション開発に直結しないガラクタのようなもの。将来再利用する自分のために。同じような悩みを抱える誰かのためにブログ「元外資系コンサルのガラクタ箱」を運営。

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