AIが脚光を浴びRPAも出てきて業務の自動化はますます加速していくことが見込まれます。
古くからシステムの運用業務を自動化・効率化するのに役立ってきたのがジョブ管理ツールです。
本記事では、このジョブ管理ツールを比較します。
ジョブ管理ツールとは
ジョブ管理ツールとは、他システムとデータ送受信を行う「バッチインターフェース処理」や、大量データをまとめて行う「バッチ処理」の起動や終了を制御したり、実行結果を監視し必要に応じて通知したりを行うものです。
ジョブ管理ツールの主な機能
ジョブ管理の一般的な機能は以下の通りです。
- ジョブのスケジューリング
- ジョブの異常終了の報告
- ジョブの実行状態のログ保存
ジョブのスケジューリング
ジョブのスケジューリングとは、それぞれのジョブの起動予定を事前登録しておくものです。
主に3つのパターンがあります。
- 時間指定で起動(例:毎日2:30に起動)
- 前提ジョブが正常に終了した場合に起動(例:ジョブAが正常終了したらジョブBを起動
- ファイルトリガーで起動(例:/inboxディレクトリを1分ごとに監視しておき、FTPで受信したトリガーファイルを検知したら起動)
上記を基本パターンとして、複数のカレンダー、複数の先行条件、ファイルの到着を組み合わせて条件指定することもできます。
ジョブの異常終了の報告
ジョブが実行中あるいは終了時に異常が発生した場合、メールやメッセージ等でオペレータに異常を報告するものです。
異常時はスキップして次ジョブから実行するなどルールが決まっていればよいですが、異常終了の状態によって判断が必要になることも多いです。
その場合は、運用監視を行っている担当オペレータが、ジョブを登録しているアプリの担当者に連絡を行います(という連絡を受ける側の立場だったので枕元に携帯電話が欠かせませんでした。。)
ジョブの実行状態のログ保存
ジョブが出力したメッセージやジョブの終了ステータス等をログに保存しておくものです。
ジョブ管理ツールの国内シェア
2013年かつ中堅・中小企業向けの調査結果ではありますが、以下のリンクに情報があります。
ノーク伊嶋のITベンダーウオッチA 第11回 運用管理で日立製作所のJP1が定番となった理由とは?
- JP1,日立 20.6%
- System Walker,富士通 16.6%
- Microsoft System Center,マイクロソフト 14.6%
ちなみにTivoli Workload Scheduler,日本IBMは、、2.0%でした。
各ツールの使い勝手
JP1
http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/jp1/
日立が提供する、国内シェアNo1の統合システム運用管理ソフトウェアです。
GUIも直観的で何かと使いやすかったことを記憶しています。ジョブネットをコピペで作成し、暫定ジョブネットを作ることや、異常終了した後の再実行も簡単にできました。
TWS(Tivoli Workload Scheduler)
https://publib.boulder.ibm.com/tividd/td/TWS/SC32-1273-02/ja_JA/HTML/igmst02.htm#wq2
IBMが提供する、システム運用管理ソフトウェアです。定義ジョブをマスタとして登録しておくと日毎に実行ジョブが生成され、実行されます。JP1に比べると異常終了した後の再実行操作が面倒だった記憶があります。
Windowsタスクマネージャー
統合運用管理ツールとしては機能が弱いですが、サーバOSがWindowsで、ジョブ数やジョブネットがシンプルな場合は、こちらでも対応できます。売上高が1兆円を超える企業で使っていたケースもあります。
書籍紹介
JP1の書籍です。よく読めば製品マニュアルに載ってることも、初めて触る時には書籍に目を通すと全体像をつかめるのでおすすめです。通勤時にぱらぱらとめくるだけでも違ってきます。
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