同業者に読まれると気恥ずかしいですが、私はコンサルタントという仕事に憧れて新卒でコンサルティングファームに入社しました。
今年もコンサルタント職種は人気があるようです。
しかしながら、その実態というかどんな仕事をしているのかわからないという方も多いと感じています。
大学の同期に飲みの席で聞かれて答え、数年後に同じ人から再度聞かれることも珍しくはありません。
本記事では、混同されがちな別の職種を紹介しつつコンサルタントの仕事について紹介します。
カウンセラーやコーチとの違い
お客さんから悩みごとを聞いて何かを答えるという観点で混同されるのがカウンセラーやコーチです。
カウンセラーは、心の悩みや不安、葛藤と向き合い、治療することが仕事です。さらに薬の処方が可能になるのが精神科医です。
コーチは、自己実現を支援するのが仕事です。その過程で悩みや不安を聞くことはありますが、真因や理想に自分で気づき、やる気やアクションを引き出していきます。
コンサルタントは、異なる視点や専門知識を使いながら解決策を提案するのが仕事です。課題は整理されてないことが大半なので、カウンセラーやコーチと同様にお客さんにインタビューやヒアリングを行いながら提案内容を作り上げていきます。
大きな違いとしてカウンセラーとコーチは1対1で行いますが、コンサルタントはチームで動くこともあります。中小企業向けで経営者と1対1というのはもちろんありますが、プロジェクトチームを編成することが多いのはコンサルタントならではです。
コンサルティング営業との違い
コンサルティングを行う意味では似てきますが、最後に受注につなげることが主ミッションなのがコンサルティング営業です。
コンサルタントはコンサルティング自体にフィーを設け対価を得ます。コンサルティング営業は営業の過程としてコンサルティングを行い、最終的に商品やサービスの提案につなげます。
というのが違いではありますが、コンサルティング会社も、解決策としてクラウドソリューションやツールを売ることもあるので切り分けられないこともあります。
主がコンサルティングなのか営業なのかが職種として選ぶときの違いになります。
SEとの違い
システムエンジニアとITコンサルタントの違いも線引きが難しいこともありますが、SEは課題解決の手段が主としてシステム構築なのに対して、コンサルタントはシステム構築以外の手段があることが違いです。
そのため、システム構築の意思決定に至る前の構想策定や業務要件定義はコンサルタントが担うことが多く、システム要件定義以降、設計をSEが担うことが多いです。
また、システム構築に関わる導入推進を行うチェンジマネジメントや全体管理するプロジェクトマネジメントもコンサルタントが行います。
開発領域のプロジェクトマネジメントをSEが担うことはありますが、全体PMやPMOはコンサルタントが担うことが多い。
終わりに
企業での職種をもとに書きましたが、個人で事業をされている方が、「片付けコンサルタント」、「年金コンサルタント」などとコンサルタントを名乗ることもあります。もちろんこれは特定領域の専門性を使ってお客さんの課題を解決するので、上の定義とも合致します。
求人の職種を見る時だけでなく、自身の仕事を定義するのにも役立てて頂ければ幸いです。
個人ビジネスのやり方を教えるけれどその人の自己実現を支援したい色が強ければ「個人ビジネスコーチ」と名乗ってもよいでしょう。
コンサルタントがお客さんの自己実現を支援しないかというと決してそうではないのですが。
今度は◯◯コンサルタントの類型についてもお伝えしていきます。