元外資系コンサルのガラクタ箱

「元外資系コンサルタント」という看板を下ろす日

最後に記事を更新したのが2022年4月17日ですので、5か月ぶりの更新になります。

おかげさまで元気にやっております。

先日新卒の同期と集まって飲む会に行きました。一番近くに会ってる人でも数年ぶり、中には20年ぶりくらいの人の再会だった人もいました。

今日は9月11日、同時多発テロから21年が経ちます。

入社したのがちょうど2001年でしたので、もう21年も社会人として働いているかと思うとそりゃ年もとるなと思いますね。

新卒コンサルタントという経歴

コンサルタントは専門性を持ってクライアントに接するため新卒コンサルタントの是非については議論が交わされることがあります。

一方で、コンサルティングファームがクライアントに提供するプロジェクトワークには、新卒に近いスタッフが手足を動かす作業もたくさんあります。

システム開発になるとSIerや開発会社に委託することもありますが、ピュアなコンサルティングワークも、クライアントと話をするだけで完結はせず、事前リサーチやインタビューまとめ、仮説の検証や、ToBeプロセス作成、などなど短期間で作成するには非常に多くの仕事があります。

これらを、新卒コンサルタントは持ち前のコアスキルと、ファームが保有する方法論という共通言語を使って実行していくことになります。

綺麗なパワポやマウスを使わずに高速にエクセルを使えるようになること、といった表面には留まらない新卒コンサルだから鍛えられるスキルやマインドセットがあります。

そして昇進スピードは個人差もあり、5年もすればマネージャーに昇進する人も出てきたり、最年少パートナーも今だとどれくらいなのかはわかりませんが、若くしてパートナーとしての職を担う人はたくさんいます。

だから新卒コンサルはいいのか悪いのか、でいうといいと思っています。

アップオアアウトってどうなの

戦略コンサルとかでよく言われるアップオアアウト(昇進するか離脱するか)についてですが、個人的には何をもってアウトととらえるかだなと思っていまして。

私がトップノッチのキャリアパスを歩んでないから、と言ってしまうとそれまでですが、それぞれにそれぞれの人生がありますし、個人が納得のいく選択をしていればそれは別にアウトでもなんでもないよなと思ったりはします。

ちょうど同期会があったので誰がどのくらいで辞めていったかを考えると、最速は1年未満。そして今でも残っているのが1人。つまりそれ以外の人はどこかで新卒入社したそのコンサル会社を辞めているわけです。

記憶では3年から5年くらいで辞める人が多かったような気がします。なので10年以上経ってから最初の転職をした私はどちらかというと残っていた側というか後発隊でした。

じゃあなかなかアウトしなかったのかというとそういうわけではなくて。

どこで自身のキャリアの軸足を定めるかだったり、別に軸足が定まってなくても仕事のやりようはいくらでもある、と同期の多様なキャリアを見ていて思います。

で、なんで「外資系コンサル」というのをブログタイトルに入れてたか

今思うと、世間が外資系コンサルという言葉からイメージする雰囲気と私って合わないんですよね。

だから、キレッキレな感じの論調とか、激務だけど短期出世や高収入とか、そういう雰囲気がなくて、検索して訪問した時にギャップがあって離脱した人もいるのかなと今になって思います。

でもコンサルの現場って仕事のノウハウは貯まるんですよ。たくさん苦労するし、たくさんインプットやアウトプットするのでノウハウの宝庫なんです。

それを社内のそのプロジェクトに関わった人たちだけに留めるのはもったいない、と感じていました。

もちろん守秘義務を満たして仕事をしてきているので、クライアントやプロジェクトが特定されないような汎用化した内容にはなりますが、コンサルタントが現場で習得したり確立したノウハウは、今後それを必要とする人たちにきっと役に立つ、という思いがありました。

ただブログ記事に何を書くかというところで、「ガラクタ箱」という少し自虐も入ったタイトルにしていました。

「必要ない人にはガラクタ、欲しい人には泣いて喜ぶ宝物」な記事を書くことを目指していました。

前職の先輩から、「プロジェクトのメンバーがデータ移行のことを調べようとしてお前のブログにたどり着いて参考にしてるらしいぞ」という話を聞いたこともあります。

このブログを書いてよかったな、と思います。

「元」の肩書きじゃなくて今は何なのか?

最初は「外資系コンサルタントのガラクタ箱」だったタイトルに「元」をつけたのには理由が2つありました。

一つは出版している書籍にブログタイトルを載せていたので、名前を変えたらたどり着けなくなると考えたからです。

もう一つは、次の肩書きが定まってなかったからです。

今はコーポレートのマーケティング部門に在籍しています。

でもマーケターなのか?というとしっくりこない自分がいます。

これは半人前だとか未熟とかいうわけではなくて、職種としてマーケティングというよりは営業企画や事業企画という側面のほうが強いためです。

でもマーケティング、営業企画、事業企画のどれかに絞ったり3つとも掲げたりするのもこれじゃない感が否めず。

最近一番しっくりくるのはデータ集計屋さん

私の今の仕事は、特定の業界向けマーケティングの仕事も担ってはいるのですが、もう一つの大きな役目としてマーケティング部が活用する管理会計レポートの作成業務があります。

管理会計というと経理部の仕事では?と思うかもしれませんが、経理領域の管理会計よりも市場や顧客に焦点を置いた形でのレポーティング業務がありまして、それにまつわるレポート作成を行っています。

集計って別に難しいことやってるわけではないんです。

なので、本来は営業企画担当が片手間にやっていた仕事を工業的に中央で巻き取っているという側面もあります。

営業企画担当や事業部門側のノンコア業務をアウトソースするような見え方ですね。

でもデータ集計を集約するにあたってすべてを工場内手工業のように人手でやっているわけではなくて、同じ切り口で見るべきものは共通化してBIダッシュボードで提供するなどして、付加価値ものせています。

じゃあデータアナリストやデータサイエンティストなのかというとそうではなくて、ビジネス目線で見たい切り口を試行錯誤しながらデータを集計しているので、集計屋さんというのが個人的にちょうどよくてしっくりきています(とはいえ社内の人たちに自分のことを集計屋さんという伝え方をしたことはまだあまりありません)。

データ集計は楽しい

「データ集計屋さんの仕事道具箱」というタイトルはいかがでしょうか。

今の仕事の肩書きもしっくりきますし、ガラクタという自虐を取り除いて、仕事に使えるツールについて紹介するのならちょうどよさそうです。

何より私はこのデータ集計という仕事が好きなんですよね。

ここ数年で管轄する範囲も増えてなんでも即日対応というわけにはいきませんが、集計の依頼や相談が来るのを楽しみにしている自分がいます。

やってほしいことが明確な場合もあれば、困りごとを持ってきていいやり方を提案してほしいという場合もあります。

社内のスタッフからデータ集計を不要にするデータ基盤やサポート体制をつくるのが大きな夢と言ってもいいかもしれません。

データ集計屋さんの付加価値はどう上げていくか

いくら楽しくても、同じことを同じようにやっていては飽きてしまいます。

また、技術や人の成長もあるので期待される内容も変わっていきます。

今メインで集計しているのは、過去の実績です。

なので、

を紐解くための集計になります。

一方で、今後

という示唆ができると価値は上がりますよね。

売上見込を考える時に、営業担当が入力して積み上げたパイプラインをそのまま出すだけでなく、統計モデルや機械学習などを用いた予測をしたり、複数シナリオの分析をしたり。

ちょっと書きながら言葉が上ずってきました。

もっと勉強しないと自分で語れない領域ではあります。一方で、高度な取り組みには、必ずそれを支えるデータ集計や整備が必要になります。

まだまだ必要になるデータ集計の仕事をやりつつも、高付加価値に向けたインプットもやっていきたいと思います。

終わりに

ということで、近況報告も兼ねつつ、今やっている仕事、今後やっていきたい仕事について書いてみました。

ブログタイトルももうちょっとしっくり来たら変えます。タイトル変えても記事内容に関心があえば、引き続きよろしくお願いいたします。

 

mhisaeda

電子書籍「システム導入のためのデータ移行ガイドブック」著者。

新卒から外資系コンサルティングファームに所属。15年に渡り販売物流、特にCRM領域のコンサルティングに従事。 100名を超えるプロジェクトのPMOなど全体を推進していく役回りや、ユーザ企業への出向を通じた実務経験を持つ。

このブログでは、自身がかき集めた知識や経験を共有する。クライアントへの提案やソリューション開発に直結しないガラクタのようなもの。将来再利用する自分のために。同じような悩みを抱える誰かのためにブログ「元外資系コンサルのガラクタ箱」を運営。

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