元外資系コンサルのガラクタ箱

助言プロセスは合理性と楽しさを備えたティール組織自主経営の要(5分読書#37)

こんにちは、うさぼう(@usabo_tweet)です。

ティール組織の助言プロセス(アドバイス・プロセス)は、意思決定の前にすべての関係者とその問題の専門家に助言を求める、というものです。

ティール組織では階層が存在しないので、誰かの意思決定にその下階層の人たちが従う、ということになりません。そのため誰もが意思決定者になりえます。

誰に助言を得るかも含めて意思決定者が決められます。判断の内容が大きい場合はおのずと助言を求める対象者も広がります。

本記事では、ティール組織の3つのポイント(突破口、ブレイクスルー)の1つである自主経営(セルフマネジメント)の要になる助言プロセスについて紹介します。

ティール組織

助言は承認とは違います。そのため助言には応援だけでなく批判もありますが、助言内容を踏まえて意思決定者が自分で決断を下します。

助言プロセスは、一方的な決定でもなく、全員一致のコンセンサスでもありません。特定の人や集団によるエゴの嵐に陥ることもなく、時間もかかりすぎず、責任も希薄にはなりません。

助言には決まった形式はないので、同僚に一対一で相談することもありますし、関係者に集まってもらいミーティングを開くこともできます。社内SNSも使えます。

AES創業者のデニスバーキは、助言プロセスによって、コミュニティーや謙虚さ、学び、優れた判断力、そして楽しさも生み出すと言います。

バーキの記載から引用します。この引用部分によって、助言プロセスのメリットや魅力を知ることができます。

  • 目の前の問題について助言を求められた人々の関心を引きつけます →助言を求められた人は光栄に思い、自分が必要にされていると感じる
  • 助言を求める行為自身が「私はあなたを必要としている」意思表示にほかなりません →意思決定者と助言者は親密になる、意思決定者は助言を普通無下にはできない
  • 意思決定を下すことは実地訓練になる。その場でフィードバックを得る体験はどんな形のトレーニングよりも勝る
  • 意思決定者はだれよりもその問題に近いという強みがある。下した判断の結果を受け入れる人でもある。だからトップダウンよりも最適な判断に到達する確率が高いと思う
  • チームスポーツと同じで単純に楽しい。組織内の知識の豊富な人々から得られた知恵によって実践力と創造性を刺激し、高めていく

 

終わりに

企業組織に限らずいろんなところでこの助言プロセスを取り入れていくことで効率よくかつ楽しく、周りの人への敬意を深めながら意思決定が進められそうです。

では、また明日。

マーケティングで大切な「意味ある」関係の構築(5分読書#38)

mhisaeda

電子書籍「システム導入のためのデータ移行ガイドブック」著者。

新卒から外資系コンサルティングファームに所属。15年に渡り販売物流、特にCRM領域のコンサルティングに従事。 100名を超えるプロジェクトのPMOなど全体を推進していく役回りや、ユーザ企業への出向を通じた実務経験を持つ。

このブログでは、自身がかき集めた知識や経験を共有する。クライアントへの提案やソリューション開発に直結しないガラクタのようなもの。将来再利用する自分のために。同じような悩みを抱える誰かのためにブログ「元外資系コンサルのガラクタ箱」を運営。

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