プロジェクト管理の解説書を読んだけどもっと具体的な説明や事例を知りたいと感じたことはないでしょうか。そんな人のための本を紹介します。
SEノウハウ ITプロジェクト管理編とは
エムさん(@exadmin)によってKindle出版されているSEノウハウシリーズのプロジェクト管理編です。
<書籍概要より引用>
合併、システム統合等の大規模なプロジェクト管理にかかわる書籍です。
PM/PMOとして、プロジェクト管理業務全般について実施する業務・作業のノウハウを本書に纏めています。
これまでに出版されたシリーズは以下の通りです。
- 移行・リリース編
- ITプロジェクト品質管理編
- PC編 (PCの構築、導入・廃棄、保守運用・管理)
- ID・権限管理編
- 外部委託管理編
- 要件定義編
- 現行システム分析編
- テスト編
- システム重要度分析編
- ITプロジェクトリスク管理編
- クラウド管理編
- モニタリング編(機密性、完全性、可用性、サイバー等)
このシリーズを読むかどうかのリトマス紙
移行・リリース編を読んでいたので本のスタイルは知っていましたが、初めて読まれる方には少し堅めの印象を受けるかもしれません。また、序文やおわりにのような著者の人となりがわかるような文面もありません。
いきなり解説から始まり、解説の終わりと同時に最終ページです。ノウハウを必要とする人のためのノウハウ本です。
それは章立てにも表れています。ざっと章立てを見てみてください。
<章立て>
- 1. ITプロジェクト管理
- 1.1. 準備
- 1.1.1. 用語等
- 1.1.2. リスク認識
- 1.1.3. 本書の前提(大規模なプロジェクト管理)
- 1.1.4. 本書の前提(システム重要度評価)
- 1.1.5. 本書の前提(外部委託管理)
- 1.2. プロジェクトの管理レベルの判定
- 1.2.1. 簡易的な管理対象の判定
- 1.2.2. プロジェクト管理レベルの判定
- 1.3. プロジェクト計画書の作成
- 1.3.1. プロジェクトの概要
- 1.3.2. システム対応の概要
- 1.3.3. 目的設定
- 1.3.4. 目標設定
- 1.3.5. 制約条件・前提条件の設定
- 1.3.6. スコープの設定
- 1.3.7. 体制・役割の設定
- 1.3.8. マスタースケジュールの作成
- 1.3.9. 予算計画
- 1.3.10. プロジェクト完了条件の設定
- 1.3.11. 工程定義
- 1.3.12. 成果物定義
- 1.3.13. コミュニケーション計画
- 1.3.14. その他の記載
- 1.3.15. プロジェクト計画書のレビュー・確定
- 1.3.16. 段階的な詳細化・計画の見直し
- 1.4. プロジェクト管理の運営
- 1.5. 進捗管理
- 1.5.1. 進捗管理計画の作成
- 1.5.2. WBSの作成
- 1.5.3. WBSの確認
- 1.5.4. 進捗報告(ベンダー)
- 1.5.5. 進捗状況の収集・確認
- 1.5.6. 進捗報告(PMO)
- 1.5.7. その他(簡易的な進捗管理)
- 1.6. 課題管理
- 1.6.1. 課題管理計画の作成
- 1.6.2. 課題の提起
- 1.6.3. 対策の計画・実施
- 1.6.4. 課題報告(ベンダー)
- 1.6.5. 課題状況の収集・確認
- 1.6.6. 課題報告(PMO)
- 1.7. 品質管理(概要)
- 1.8. リスク管理(概要)
- 1.9. 仕様変更管理
- 1.9.1. 仕様変更管理計画の作成
- 1.9.2. ベースラインの設定
- 1.9.3. 仕様変更依頼票の提出
- 1.9.4. 受理
- 1.9.5. 影響分析
- 1.9.6. 変更の実施判定
- 1.9.7. 変更の実施
- 1.9.8. 仕様変更報告
- 1.9.9. 【簡易】連絡票の運用
- 1.10. 本番変更管理(PJ)
- 1.10.1. 本番変更管理計画の作成
- 1.10.2. 本番変更申請の提出
- 1.10.3. インパクトチェック
- 1.10.4. 本番変更(PJ)報告
- 1.11. プロジェクトの状況報告
- 1.11.1. 工程審議への報告
- 1.11.2. ステコミへの報告
- 1.12. プロジェクトのクロージング
- 1.12.1. ファイル・フォルダー整理
- 1.12.2. その他の整理作業
- 1.12.3. 引継ぎ
- 1.1. 準備
この章立てを見てどう感じるでしょうか。ささっとスクロールして惹かれるところがなければおそらくこの本の対象読者ではありません。
逆に気になるキーワードがたくさん目に止まり、詳細を知りたいと感じた方には、期待する内容が書かれていると言えます。
この本の読み方
Kindle本なのでスマホや専用端末でも読むことができます。プロジェクト管理に関わるが実務経験に乏しい場合は、通読すると流れが理解できるでしょう。
プロジェクト管理はプロジェクトを通じて多くの運営ルールやドキュメントを用いて行います。本に書かれたノウハウを有効活用するには、デスクトップ版Kindleアプリを用いてPCで開き、プロジェクト管理ガイドやドキュメントテンプレートを整備する際に参照したいところです。
苦労したことや自身の経験を届けたい想いに共感
著者のエムさんは、ご自身のTwitterプロフィールに書かれているように、40冊くらい書きたい本があるそうです。今回のITプロジェクト管理編が15冊目、それでもすごい量ですが、40冊だとするとまだまだ道半ばですね。
『SEノウハウ』シリーズはストイックなノウハウ本であり、本を書きたいと思うに至ったエピソードなどは掲載されていません。
私も自身が経験したノウハウを本にしたいと感じて「データ移行ガイドブック」を書いたため、勝手ながら共感しています。
苦労されたこと、経験する中で得られたことを、それを必要とする人に届けたいという想いをお察しします。影ながら応援しております。
また、こうした本を必要とする人に届く可能性を増やしたく、本記事として拙ブログでも紹介させて頂きました。