コスト削減と成長への投資を同時に実現する、成長への最適化(Fit for Growth)のための本が発売されました(2017年11月22日)。
「成長への企業変革――ケイパビリティに基づくコスト削減と経営資源の最適化」は、前著「なぜ良い戦略が利益と結びつかないのか」にて高収益企業が備えるコヒーレンス(一貫性)の行動様式の1つを詳細に解説したものです。
成長力を捻出するためにコストを削減する
前著で紹介された行動様式は、以下のようなものです。
- コストと戦略(ケイパビリティ)を結びつける
- ケイパビリティのタイプ別に支出を分類する
- 差別化につながるケイパビリティ以外のコストを削減し、再投資の原資にする
ケイパビリティは4つのタイプに分類していました。
- 差別化するケイパビリティ
- テーブルステークス(そのセクターで競争するための必要条件、まあまあを保つ)
- つけっぱなしの明かり(事業運営を維持するために必要なもの、競合より下回ることを目指す)
- 不要(過去から継承されるなどだが戦略に寄与しないもの、徹底的に切り詰める)
均一的にコスト削減を行うのではなく、こうして戦略に結びつくケイパビリティで支出を分類し、重要なケイパビリティに投資を集中させることができるというものです。
明快で有効な考え方だと思いました。同時に、「実行するのは大変そうだな」とも感じました。
「成長への最適化」実行のための手引書
Strategy&のサイトに、書籍紹介があります。
コンテンツとしては7ページですが、よくまとまっているので内容はリンク先をご参照ください。
とはいえ前著で36ページに集約されていた内容が本書では417ページ、10倍の紙面を使って解説されています。
大きく2点が詳細化されています。
- いかにしてコスト削減するかの観点(レバー)ごとの解説
- 変革をマネジメントするためのフェーズごとの留意点
読み終えたら本記事にも追記していきます。