元外資系コンサルのガラクタ箱

プロジェクトの火消しに役立つ俯瞰図まとめ

昨日の記事で紹介した日経SYSTEMSの記事にプロジェクトで出火した時にプロジェクト・マネージャーがとるべき12の対策が紹介されています。

本記事では12の中で最重要とされる「大局を見る俯瞰図の作成」について、どのようなものがあるか紹介します。

出火時にプロジェクト・マネージャーが取るべき対策

  1. 大局を見る俯瞰図の作成
  2. サービスの段階的リリース
  3. オーナーとコントラクタ間のコミュニケーションの確立
  4. PMO(プログラム・マネジメント・オフィス)の設置
  5. 作業計画の並列化と可視化
  6. 作業品質、環境品質、方式品質の管理
  7. サービス開始委員会の設置
  8. PMスタッフの配置
  9. プロジェクト体制の「兼務」の中止
  10. メンバーのモチベーションの向上
  11. 自分を客観的に見る能力
  12. 営業/SEとプロジェクト・メンバーのコラボレーション

プロジェクト全体を把握するための俯瞰図

本記事では真っ先に必要になる俯瞰図について紹介します。

PMとしてプロジェクトを把握しようとした時に入手したい俯瞰図は以下の通りです。

プロジェクト開始時や提案時に作成したものから更新されないこともありますが、炎上を防ぐためにも、炎上時の早期把握を可能にするためにも、PMOや内容を把握しているチームリーダーに役割を設けてタイムリーに更新しておきたいところです。

俯瞰図を通じて火種の要因(ドミナント・アイテム、危機の支配的要因)を把握することは、IPAのITプロジェクトの「見える化」でも挙げられています。

ITプロジェクトの「見える化」では、

があがっています。上記の俯瞰図リストに含まれてはいますが、より開発現場の実態を把握するのに近い観点で絞られているように思います。

プロジェクトの俯瞰は、プロジェクト・マネージャーに限らず、ITアーキテクトでも同じです。「ITアーキテクトはA3用紙に図解する」では、以下の俯瞰図が紹介されています。

おわりに

俯瞰図は炎上してから作るものではありません。プロジェクト開始時の成果物定義時に、最新化の運用プロセスも含めて定義し、最新化を徹底することが火種に気づきトラブルを未然に防ぐことにつながります。

mhisaeda

電子書籍「システム導入のためのデータ移行ガイドブック」著者。

新卒から外資系コンサルティングファームに所属。15年に渡り販売物流、特にCRM領域のコンサルティングに従事。 100名を超えるプロジェクトのPMOなど全体を推進していく役回りや、ユーザ企業への出向を通じた実務経験を持つ。

このブログでは、自身がかき集めた知識や経験を共有する。クライアントへの提案やソリューション開発に直結しないガラクタのようなもの。将来再利用する自分のために。同じような悩みを抱える誰かのためにブログ「元外資系コンサルのガラクタ箱」を運営。

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