鬼速(おにそく)PDCAは、冨田和成さんが生み出した手法です。Plan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Action(調整)の4ステップからなるPDCAサイクルを、高速を超える鬼速で回し続けることで、組織や個人が圧倒的なスピードで成果を出し続けるとともに、前進していることを実感できモチベーションにもドライブがかかり、さらにPDCAが速く回る好循環を生み出します。
参考:鬼速PDCAの解剖図
http://tomitazuu.com/archives/537
本記事では、鬼速PDCAのCheck/Adjust(調整)のやり方を参考に、プロジェクトマネジメントに役立つ振り返りや改善のコツを紹介します。
タスクの達成チェック、どうやってますか?
以下の図は、鬼速PDCAにおけるCheck工程を図にしたものです。鬼速では計画を詳細化して落とし込んだ行動をDOやTODOと呼んでいますが、ここではまとめてタスクと呼びます。
鬼速PDCAでは達成チェック時に「できた」「できなかった」「わからない」の3つに分類します。
できた時には同様のやり方を継続するとともに、一時的なラッキーな要素があった場合は次回には差し引くよう考慮します。
できたかできなかったかわからない場合もあるので、その場合は完了基準を見直したり、今後の対策として実行時の記録をとるようにします。
できなかった場合の原因分解と対策
できなかった場合には、そもそも時間をかけられなかったのか時間をかけたけどできなかったのかを区別します。
時間をかけられなかった場合は、そのタスクに要する体力や気力がかけられなかったのか、他のタスクを優先していたのかを分けます。体力や気力が足りなかった場合は、体力や気力があるタイミングに実行できるよう計画を修正します。他のタスクを優先している場合は、他タスクとの優先度を踏まえて実行できるタイミングに計画を修正します。
時間をかけてもできなかった場合は、単に実行タイミングを先送りするだけだと解決しない可能性があるので、質・量の両面でどのくらい時間がかかるのかを見直します。また、時間をかけるだけでも解決しない課題や障害があればそちらの対応を行います。
プロジェクトマネジメントと鬼速PDCA
プロジェクトマネジメントでも、プロジェクト計画をWBS(Work Breakdown Structure)に分解し、計画通りに実行できているかをモニタリングします。
進捗はどうか?できたかどうか?遅れは取り戻せるか?
管理者目線では、進捗が順調かどうか、順調ではない場合にどういう手を打つのがよいのかを考えるためにモニタリングを行います。
実施者目線では、そのタスクが完了できるかどうか、他タスクも含めた自身の作業ボリュームはどうかなどを考慮しながら報告を行います。
この両者の目線はどちらも大切です。プロジェクトが有期性の業務とはいえ、数々のタスクやプロジェクトを並行して継続的に実行していく上では、鬼速PDCAのように短サイクルで改善を重ねていくことはとても有用です。