元外資系コンサルのガラクタ箱

災害時のプロジェクトマネジメント

今週末は東京都内がロックダウンということでお店の棚もすっからかんになっています。消費者の行動というのは早くて、東日本大震災の時にちょうど京都とテレビ会議をしていて、終えてコンビニに行ったらすっからかんだったのを思い出しました。

何かのプロジェクトに関わってプロジェクトマネジメントをしていると、とにかく計画通りに完成させることとか、遅れを取り戻すこととか、平時の状態からなるべく外れないようにしたくなりますが、災害時はまずメンバーの身の安全が第一です。

企業はBCP(Business Continuous Plan、事業継続計画)という形で、災害時の対応方針やその際の業務運用方法を決めています。

それに沿って、メンバーの安全確保をしつつ、本番稼働しているシステムや業務運用に関わる部分の縮退運転を優先し、それ以外はいったん止めるのが一般的です。

今回のコロナウイルスに限らず、冬場のインフルエンザの流行もプロジェクトマネジメントにおちてはリスクとして考慮されるべき項目です。

小規模のプロジェクトだと代わりがいないようなケースも多々ありますが、金融機関のプロジェクトで、きっちりインフルエンザに備えた体制構築を要請されたことがあり、苦慮しつつももっともだなと感じながら体制検討をしました。

これは言うは易しで、どんなに手順書を用意してリハーサルを行っても代理は簡単ではありません。

システム環境が変わるだけでサーバーやネットワークの設定が変わり、マスターデータやトランザクションの状態も全く同じにならないことは珍しくありません。

同じことを同じようにやったつもりでも想定外のことは起こります。この時のインフルエンザ対応はデータ移行の代理対応検討でしたが、移行よひ前の工程でタスクを他の人から引き継ぐのはより難しいです。プロジェクトメンバーの離任に伴う引き継ぎ作業を伴います。

このように、プロジェクト途中で何か災害などが発生したら、非常事態を乗り切ったのちに、災害の影響を確認し、そこから計画を立て直すしか手がありません。

災害によって本来使えるはずだった資源が使えなくなっていることもありえるので、そのあたりも影響確認に含めて、場合によっては当初と異なる計画に変更して再開することもありえます。

いずれにしても事態がどうなるか読めない場合は、マネジメント側もメンバー側もいつどのような形で再開してもいいように成果物や作業状況をまとめておくことをおすすめします。

今週末は3月の最終週。会計年度が4月に変わる企業においては組織変更などの対応を予定しているプロジェクトもあるかと思います。

長期化しさらに本格化するリモートワークも影響が大きくなります。

避けられない変化は受け入れながらも目的に立ち返りながら計画を柔軟に軌道修正して対応していく以外に王道はありません。

皆さまの進行中プロジェクトが無事にこのコロナの影響を乗り越えられること影ながらお祈りしております。

mhisaeda

電子書籍「システム導入のためのデータ移行ガイドブック」著者。

新卒から外資系コンサルティングファームに所属。15年に渡り販売物流、特にCRM領域のコンサルティングに従事。 100名を超えるプロジェクトのPMOなど全体を推進していく役回りや、ユーザ企業への出向を通じた実務経験を持つ。

このブログでは、自身がかき集めた知識や経験を共有する。クライアントへの提案やソリューション開発に直結しないガラクタのようなもの。将来再利用する自分のために。同じような悩みを抱える誰かのためにブログ「元外資系コンサルのガラクタ箱」を運営。

カテゴリー

モバイルバージョンを終了