データ移行プログラムと対になるのがデータ検証ツールです。正しく移行されているかを確かめるものです。
ツールを構築する場所は2箇所あります。移行プログラムそのものと、新システムです。
移行プログラムにおける検証ツール
移行プログラムに構築する検証機能は、個々の移行処理が正常かどうかを確認するものです。処理は1行ずつ行なっているので、エラーが発生した場合はログ出力します。移行処理時にエラーデータとして除外することもあれば、処理前に一通りチェック処理を走らせる場合もあります。
新システムにおける検証ツール
新システムに移行が完了してからしかチェックできないものもあります。特に稼働中のシステムに追加で移行する場合などは、既存データに影響を与えていないことを確認する必要があります。新システムでは、データベースにSQLを使ってチェックする以外に、画面や帳票、BIツール(Business Intelligence)で確認する方法もあります。
I/F機能を使って移行する場合にも注意が必要
移行プログラムの構築工数を節約するために他システムI/Fのプログラムを使って移行することがあります。一度きりのプログラムに工数を費やすのはもったいないのでよいのですが、移行データがI/F元と完全に同じデータとは限らないので注意が必要です。
検証ツールの向上がデータ移行の成否を握る
移行テストやリハーサルを重ねることでデータ精度を上げていくのは王道ですが、肝心な検証項目の精度が上がらないと何度リハーサルを繰り返しても満足のいく品質にはなりません。
移行データ調査、データクレンジング、実データチェック、移行テスト、リハーサルの各段階で検知した問題を順次盛り込み、検証ツールの品質を向上させるよう心掛けてみて下さい。
次記事では趣向を変えて、移行タスクに参考になる書籍を紹介します。