本シリーズ記事を読んでいただきまして、ありがとうございます。このシリーズは「データ移行」というシステム導入のいちタスクに関するものです。
データ移行とはその名の通り、データを移行する作業です。新システム導入に際して現在稼働中の(新システムによって置き換えられる)システムからデータを抽出し、新システムに取込を行います。
本シリーズでは、システム導入のプロジェクトでデータ移行を担当する方が円滑にタスクを進められるよう、タスクの特徴や注意点を紹介します。劇的に作業の生産性が上がるようなトピックはありませんが、特に経験の少ない方が抜け漏れ少なく(残念ながらゼロにすることは難しいです)進めるのに参考になる内容を実体験に基づいて盛り込みました。
はじめてデータ移行を担当した時の話
私がはじめてデータ移行を担当したのはもう10年ほど前です。初めてにも拘わらず、少人数ながらチームをリードしました。
座学と気合で臨んだ最初のフェーズ
入社して5,6年目でしたので、未経験の領域とはいえ、何とかこなせる自負がありました。担当するにあたり、自社内で持つ方法論のタスク説明や成果物テンプレートを熟読しました。経験者を通じて過去プロジェクトの資料も入手しました。
スコープである移行対象一覧を元にタスクをWBSに落とし込みチームを率いていきました。最初のうちは、新システムのデータモデルが固まらないため、そこまで業務負荷が高くありません。
移行チームは、近い領域である他システムインターフェースチームのタスクを分担し担当しました。これはよいキャッチアップになりました。SQLのプロシージャや起動バッチファイルなど利用する技術方式が同じだったためです。
(続きます)