システム開発経験があればデータ移行を担当しても大きな問題はないと思われがちです。半分正しくて半分は違います。
本記事では、データ移行チームの担当を一般的なシステム開発と比較し、共通する点と異なる点を紹介します。
システム開発との共通点
データ移行も、移行プログラムや移行ツールを“開発”する点は共通しています。これらは他のシステム開発タスクと同様のフェーズを踏みます。
- 要件定義
- 設計
- 開発
- テスト
- 本番
特に、大量データを扱うバッチ処理や他システムとデータ連携するインターフェースプログラムの開発経験があると、移行プログラム開発にはかなり役立ちます。
システム開発との相違点
データ移行特有な点は、2つあります。
移行データの扱いと、本番移行に向けた入念な準備が必要な点です。
移行データのクレンジングと検証
移行プログラムのインプットデータとなる、移行データをきれいにするタスク(クレンジング)が必要です。データクレンジングは、現行システムのデータを調査し、名寄せによる重複行の削除や、表記揺れを統一することです。
業務データを扱うため、システム担当だけでは実施しきれません。業務部門にも協力を依頼し、時間をかけて取り組む必要があります。
移行データがきれいになっていることを確認するための”検証”も必要です。人手をかけて実行するため、クレンジング作業で取りこぼした汚れたデータが残っていないかの検証は必須です。
また、移行後に期待通りにデータが投入されているかの検証も必要です。想定外のエラーデータが残っていないことを確認し、残っている場合はリスト出力してつぶしこみます。
本番移行に向けた入念な準備(手順整備とリハーサル)
移行手順の検証として、本番さながらにリハーサルを行う点も相違点です。
本番移行は現行システムからの切り替えを伴うことが多く、システム停止も伴うため、遅延や失敗は許されません。
しっかり移行手順を作成し、万が一の場合のコンティンジェンシープランも含めてしっかりリハーサルを行うことが重要です。