元外資系コンサルのガラクタ箱

データ移行のシステム開発との共通点と相違点

システム開発経験があればデータ移行を担当しても大きな問題はないと思われがちです。半分正しくて半分は違います。

本記事では、データ移行チームの担当を一般的なシステム開発と比較し、共通する点と異なる点を紹介します。

システム開発との共通点

データ移行も、移行プログラムや移行ツールを“開発”する点は共通しています。これらは他のシステム開発タスクと同様のフェーズを踏みます。

  1. 要件定義
  2. 設計
  3. 開発
  4. テスト
  5. 本番

特に、大量データを扱うバッチ処理や他システムとデータ連携するインターフェースプログラムの開発経験があると、移行プログラム開発にはかなり役立ちます。

システム開発との相違点

データ移行特有な点は、2つあります。

移行データの扱いと、本番移行に向けた入念な準備が必要な点です。

移行データのクレンジングと検証

移行プログラムのインプットデータとなる、移行データをきれいにするタスク(クレンジング)が必要です。データクレンジングは、現行システムのデータを調査し、名寄せによる重複行の削除や、表記揺れを統一することです。

業務データを扱うため、システム担当だけでは実施しきれません。業務部門にも協力を依頼し、時間をかけて取り組む必要があります。

移行データがきれいになっていることを確認するための”検証”も必要です。人手をかけて実行するため、クレンジング作業で取りこぼした汚れたデータが残っていないかの検証は必須です。

また、移行後に期待通りにデータが投入されているかの検証も必要です。想定外のエラーデータが残っていないことを確認し、残っている場合はリスト出力してつぶしこみます。

本番移行に向けた入念な準備(手順整備とリハーサル)

移行手順の検証として、本番さながらにリハーサルを行う点も相違点です。

本番移行は現行システムからの切り替えを伴うことが多く、システム停止も伴うため、遅延や失敗は許されません。

しっかり移行手順を作成し、万が一の場合のコンティンジェンシープランも含めてしっかりリハーサルを行うことが重要です。

データ移行の本を書きました!(2017/11/18Kindle発売開始)

mhisaeda

電子書籍「システム導入のためのデータ移行ガイドブック」著者。

新卒から外資系コンサルティングファームに所属。15年に渡り販売物流、特にCRM領域のコンサルティングに従事。 100名を超えるプロジェクトのPMOなど全体を推進していく役回りや、ユーザ企業への出向を通じた実務経験を持つ。

このブログでは、自身がかき集めた知識や経験を共有する。クライアントへの提案やソリューション開発に直結しないガラクタのようなもの。将来再利用する自分のために。同じような悩みを抱える誰かのためにブログ「元外資系コンサルのガラクタ箱」を運営。

カテゴリー

モバイルバージョンを終了