コンサルファームでナレッジマネジメントをする場合、具体的に何をマネジメントすればいいでしょうか。
ナレッジデータベースを作って部内や全社で共有する。各社員が年に2件以上は登録する、というのは器であり管理の仕組みの話です。
そこに登録され、使えるナレッジについて紹介します。
提案書
案件の受注に役立つのが提案書です。業界や顧客に関する理解を示し、課題を掘り下げ、解決のために何を提供するかをまとめた提案書は、様々なシーンで参考になります。
ナレッジ共有時に提示金額はマスキングされていることが多いです。そのくらい見積金額は重要ということです。リスクをどのくらい積んでいるか、戦略的な値引きをどこまでしているか、人月単価はいくらか、など社内といえど一部の人間のみで共有される情報です。
金額がマスキングされても、プロジェクト体制として役職や人数が分かると、同じ内容の提案をする際の体制の適正さを評価するのに使えます。
解決策が変わっても提案書は参考になります。システム導入の提案書にも、業務改革を伴うことは多々ありますし、施策の一覧は流用が効き、優先度のみが変わることもありえます。
最終報告書
同種のプロジェクトデリバリにも役立つし、提案の落としどころを知るのにも役立つのが最終報告書です。
提案書よりページ数も多くて100ページを超えることも珍しくないこの成果物は、構成も内容も参考になることが多いです。
生の成果物
最終報告書が全てを網羅しているわけではありません、あくまでも報告書であり成果のサマリなので、詳細はプロジェクトの生の成果物になります。パワーポイントに限らずエクセルのリストやデータも含まれます。
システムのプロジェクトだと設計書や手順書、マニュアルも入ってくるので実務を担当する方には、より具体的で参考になります。
コンタクト先
ナレッジデータベースに全て格納されていることは稀なので、頼りになるのはコンタクト先(問合せ先)だったりします。
そのプロジェクトを提案した人や実際にデリバリしたプロジェクトマネージャーがコンタクト先として登録されています。
成果物にならなかった検討資料や調査データなども持っていますし、知見もあるので時間に余裕のあるうちに早めに相談するのはおすすめです。