元外資系コンサルのガラクタ箱

SAPのノウハウを手に入れる2つの方法

新人の頃以来、約15年ぶりにSAPを触りました。

SAPのGUI(クライアント側にインストールするアプリケーション)を使ってログイン。メニュー画面からの選択に加えて、トランザクションコードを直接入力しての画面遷移も相変わらずでした。

SaaSやPaaSなどクラウドが随分浸透してきましたが、まだまだSAPを置き換えるという話は聞きません。むしろ脱ホストに向けて今からSAPを入れよう(一部領域が導入済で他領域に展開)という企業もあります。

SAP導入の専門知識はどう習得するか

SAPを導入するには専門知識を持つコンサルタントの支援が必要です。しかし彼らはどうやって専門知識を習得するのでしょうか。

大きく2つの方法があります。

  1. ベンダー研修や自社内の研修を受講する
  2. 書籍を通じて基礎知識を習得する

その1)ベンダー研修を受講し、認定資格をとる

王道はSAP社のベンダー研修を受講することです。NECなども以前は研修コースを提供していましたが、今はなくなったようです。SAPのデリバリーを行っているコンサルティング会社は自社内の経験者が講師となり養成しています。サンドボックスと呼ばれる自由に触っていい環境も用意されており、画面操作やカスタマイズの習熟を図ることが可能です。

認定資格まで取得しておくと、プロジェクトアサイン時に基礎的な素養があることを示すこともできます。

その2)書籍を読むことで基礎知識を習得する

最近でこそ、『SEのためのERP入門』、『SAP ERP入門』など書籍も見かけるようになりました。『SAP 会社を、社会を、世界を変えるシンプル・イノベーター』という本は日経BPビジョナリー経営研究所が、知られざる巨人に光をあてた興味深い書籍です。

疑問)導入ナレッジはOracle製品のように検索できるのか?

私は存じ上げませんが、SAPライセンスを持つ企業はSAP社のサイトで導入ナレッジの検索ができるのでしょうか。Oracle社の場合は過去の問合せ履歴を検索できるサービスがありました。

個人的には導入ノウハウはもっとオープンにシェアされていくべきだと考えます。ノウハウを出し惜しみして商売にするのではなくオープンナレッジが活用され、業界全体の成熟が加速することを望みます。

本記事で紹介した書籍

mhisaeda

電子書籍「システム導入のためのデータ移行ガイドブック」著者。

新卒から外資系コンサルティングファームに所属。15年に渡り販売物流、特にCRM領域のコンサルティングに従事。 100名を超えるプロジェクトのPMOなど全体を推進していく役回りや、ユーザ企業への出向を通じた実務経験を持つ。

このブログでは、自身がかき集めた知識や経験を共有する。クライアントへの提案やソリューション開発に直結しないガラクタのようなもの。将来再利用する自分のために。同じような悩みを抱える誰かのためにブログ「元外資系コンサルのガラクタ箱」を運営。

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