元外資系コンサルのガラクタ箱

在庫を持つ本来のメリットと増えすぎることのデメリット

新人の頃、ビジネスは「より速く、より広く」の方向で進んでいくと聞きました。

それを実現すべく、最大化すべきもの、最小化すべきもの、最適化すべきものがあると学びました。

最大化すべきは売上や利益、知識と知恵、人材の質、満足度です。
最小化すべきはコスト、特に固定費やリードタイムです。
最適化すべきは、人材、資産、組織、情報機器、そしてリスクと在庫です。

本記事では、在庫を持つメリットとデメリットについて紹介します。

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在庫を持つメリット

在庫削減という言葉があるように、在庫は最小化すべきものに分類すべきと思われるかもしれません。しかし、在庫があるからこそ、顧客は待たずに商品を手に入れることができます。

完全受注生産が許容されるビジネスでない限り、在庫は必要不可欠です。むしろ適切に在庫を抱えることが納期を縮め顧客満足度を上げるための策になります。

また、常に作業員や装置はフル稼働できるわけではありませんし、部品の輸送に遅延が生じることもあります。こうした調達、生産、物流における変動要素を吸収するのに在庫は役立ちます。作り置きや取り置きがあれば、後工程に影響を与えずに最終顧客に商品やサービスを提供できます。

ではなぜ在庫削減が騒がれるのでしょうか。

在庫が増えすぎるデメリット

いくつかのデメリットがあります。

在庫があり過ぎると、弊害が生じてきます。まず、売れない在庫は今後もずっと売れない可能性があります。ビジネスにおいて仕入れたり作った費用や手間は、売れて初めて意味をなします。売れないままの在庫はいつしか賞味期限が切れて(それは食品に限らず)廃棄が必要になります。

売れなかった在庫を廃棄する手間と費用、それを保管するのにかかった手間と費用は無駄になります。

さらに在庫をたくさん抱えると、それ以外の売れる商品を探す手間も増えます。倉庫の山を想像するとわかりやすいですが、問題も埋もれてしまうのです。
経理的にもまとめて仕入れたり作っておくと原価が安く見えます。これも経営上の問題を見えづらくします。

最適化すべきものが抱えるトレードオフ

在庫を持つこと本来のメリットと、持ちすぎることによるデメリットは掴めましたでしょうか。最適化すべきものは、少なすぎてもそのメリットが得られず、多すぎると弊害が生まれるトレードオフの関係にあります。

原理原則をおさえることは大事ですが、単純化し過ぎると反論不能かつ実現不可能な答えに行き着いて手詰まりになってしまいます。

状況に応じた最適な目標を設定し達成していきたいものです(この一文自体が単純化してしまっていますが)。

mhisaeda

電子書籍「システム導入のためのデータ移行ガイドブック」著者。

新卒から外資系コンサルティングファームに所属。15年に渡り販売物流、特にCRM領域のコンサルティングに従事。 100名を超えるプロジェクトのPMOなど全体を推進していく役回りや、ユーザ企業への出向を通じた実務経験を持つ。

このブログでは、自身がかき集めた知識や経験を共有する。クライアントへの提案やソリューション開発に直結しないガラクタのようなもの。将来再利用する自分のために。同じような悩みを抱える誰かのためにブログ「元外資系コンサルのガラクタ箱」を運営。

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