元外資系コンサルのガラクタ箱

営業戦略の考え方。個人事業とグローバル企業の共通点と相違点

コンサルティングファームで営業企画をしていると、次年度計画を立てるにあたり新しい方針が出てきたり、様々な目標や積み上げた数値が出てきます。

とはいえまずは個人事業をする時に考えるようなことが先にあり、次に多くの関係者でどう整合するかなのかなと思います。

個人事業の戦略や方針

次年度の事業計画を考えるにあたり既存のお客様の中で今後も密におつきあいしたい会社や人を選びます。またそういう会社や人がいそうな業界や市場を選びます。選んだところで自身や自社に何が提供できるかを並べます。これらを戦略市場や戦略顧客とここでは呼びます。

ここで、自身や自社の存在目的は明確であることが前提です。ブレていたり見直しが必要なら先に行います。その上で事業拡大や新商品やサービスに向けての追加投資は後で考えます。

ここまでが事業戦略や営業方針に相当します。なぜその顧客や市場とおつきあいしたいのか、なぜ自社では価値が提供できるのか、提供したいのか、結果としてのお客様名に裏打ちされる想い、は重要です。

個人事業の次年度計画

方針に基づいて今度は具体的に数字を積み上げていきます。

月々いくらずつ売り上げていけるのか。既に受注し継続している案件の棚卸しから始めます。ここでは戦略市場や戦略顧客に絞らず、全ての案件でみていきます。それぞれいつくらいまで継続が見込めるのかを予想してみます。

次に既存のお客様に対して他にどんな商品やサービスが提供できるかを考えます。確度にこだわらず、金額規模もえいやーで構わないので妄想を積み上げます。

今度は戦略市場や戦略顧客に目を向けます。

戦略顧客の抱える悩みごとや取り組みたいであろうことに対して提供できることを考えます。既存商品やサービスの枠を取り払って考えます。

誰かと組むと実現できるのか、何かを購入したり習得するとできるのか、仕組みを導入するとできるのか。

実現できたとしてそれがいくらくらいの値段になるのか、またいくらくらいの投資になるのか、導入まで期間的にどのくらいかかるのかなど全てえいやーで構わないので出します。

多数の妄想が入り混じっていますが、これでたたき台としての事業と数字ができあがります。

個人の場合は、これを状況に応じつつ精度を上げ、実行して見直しを行っていきます。

グローバル企業戦略、方針、計画

基本は個人事業と同じです。

しかし、戦略や方針を考える部門、既存商品やサービスを提供している部門、新商品やサービスを企画開発する部門がそれぞれ分かれているのが大きな違いです。

さらにグローバル企業の場合は、本社と海外それぞれで法人が分かれてもいます。コンサルティングファームの場合は、親子関係すらなく、ネットワークとして連携しあっているだけの場合もあります。

そのため、戦略や方針の落とし込み、現場からの積み上げ、関連部門の調整や整合は時間も労力も使います。

個人や小規模企業ではなかった手間や大変さがあります。大企業病などと病よばわりされることすらあります。

規模が大きいことはメリットにもデメリットにもなりえます。メリットを最大限に活かしつつ、デメリットは極小化していきたいものです。

終わりに

調整や整合の煩雑さに目がいき素直に自社のありたい姿や向かう方向が見えづらくなることは多々あります。またその姿や方向に100%賛同できないこともあるかもしれません。

そんな時には、自身が個人事業を営むなら、という視点で眺めてみると見えるものあるかもしれません。

参考になれば幸いです。

mhisaeda

電子書籍「システム導入のためのデータ移行ガイドブック」著者。

新卒から外資系コンサルティングファームに所属。15年に渡り販売物流、特にCRM領域のコンサルティングに従事。 100名を超えるプロジェクトのPMOなど全体を推進していく役回りや、ユーザ企業への出向を通じた実務経験を持つ。

このブログでは、自身がかき集めた知識や経験を共有する。クライアントへの提案やソリューション開発に直結しないガラクタのようなもの。将来再利用する自分のために。同じような悩みを抱える誰かのためにブログ「元外資系コンサルのガラクタ箱」を運営。

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