元外資系コンサルのガラクタ箱

CRMアプリのユーザートレーニング時に伝えたい4つのポイント

SiebelというCRMパッケージを数多く導入してきました。今回、ユーザ目線でCRMアプリのトレーニングを受講したので、その感想を共有します。

トレーナーの説明を聞きながら私は、以下のようなことを考えていました。

本記事では、CRMアプリを導入する際にユーザに伝えるとよい内容を4つ紹介します。

現行と比べて何が変わるのか?(変化点)

ユーザ目線に立つと、知りたいことは自分たちの業務がどう変わるのかに尽きます。

もちろん細かな画面操作に入る前に目的などの説明は欲しいですが、現行業務と比べて何が変わるのかを知りたいです。

同じ項目名だとしてもプルダウンの選択データが変わる場合や、手入力に変更、任意だったものが必須になるなど細かな違いは、なぜ変わるのかを把握していく必要があります。

何がよくなるのか?(メリット)

システムのバージョンアップや刷新を多く経験した方の説明は、現行機能が担保されているなどマイナス面がないことの説明が多くなりがちです。悪く言えば言い訳がましくなります。

質問があれば明確に回答は必要ですが、ユーザはせっかくトレーニングに参加し、新しいシステムを使い始めようとしているので、一つでも多く改善点を知りたいです。

省力化できて時間短縮できるのもよいですが、多少業務が増えても、これまでとれなかった情報がとれたり、できなかった分析が可能になることには前向きです。

よくなる点はしっかりアピールしてほしいです。

手間をかけずに入力できるか?(特に現場のメリット)

とはいえ、システム操作自体に時間がかかってしまうのは本末転倒です。

なるべく直観的に、かつ操作は少ないに越したことはありません。

手間をかけずに入力できるよう、丁寧に手順を教えてほしいです。定義済みクエリーとかお気に入り、ショートカットなど小さなノウハウも細かく教えてもらえると助かります。

分析に足るデータはどこから入手できるか?(管理やスタッフのメリット)

CRMアプリは顧客情報や商談情報など業務データを入力する一方で、いろいろな切り口でデータを参照したり分析する側面もあります。

これが全てCRMアプリで見えればよいですが、2つ目の見込み金額や、3つ目の達成度は見えるかどうか注意が必要です。

なぜなら、CRMアプリには契約時の受注金額のみを保持しており、工事進行基準等に基づいた月別の売上金額を持っていない可能性があるからです。その場合は、疑似的に受注金額から既に売上済みの金額を差し引き、残り契約期間の月で割って見込み算出に使用するなど、代替の方法をとることになります。

ターゲット達成度についてもCRMアプリに売上実績データを持っていれば計算可能ですが、持っていなければ別システムでの参照が必要になります。売上データは販売管理システム等で持っているためインターフェースしているか、あるいはBIツールのレポートなどで参照することになります。

現場で情報を密に使うユーザにとってはこうした項目の定義が重要なので、質問があれば曖昧にせず正しい情報を回答するようにしてください。

終わりに

導入プロジェクトに参加する際には、開発チームの目線やトレーニングを行う側の目線に立ってしまいがちです。この記事がユーザ目線で説明したり、実際にユーザがトレーニングを受ける際に注意して聞くための役に立てば幸いです。

mhisaeda

電子書籍「システム導入のためのデータ移行ガイドブック」著者。

新卒から外資系コンサルティングファームに所属。15年に渡り販売物流、特にCRM領域のコンサルティングに従事。 100名を超えるプロジェクトのPMOなど全体を推進していく役回りや、ユーザ企業への出向を通じた実務経験を持つ。

このブログでは、自身がかき集めた知識や経験を共有する。クライアントへの提案やソリューション開発に直結しないガラクタのようなもの。将来再利用する自分のために。同じような悩みを抱える誰かのためにブログ「元外資系コンサルのガラクタ箱」を運営。

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