新しい会社や部署、プロジェクトで最初につまづくのは言葉の壁です。その人たちが当たり前のように使っている言葉の意味がわからない。気軽に聞いていいよと言ってくれる人がいても、その人の時間を使うことにもなるため、なるべく自分で解決していきたいですよね。
こういうとき、地味ですが役に立つのが用語集です。
用語集が整備できていると、既存メンバーが同じことを何度も説明する頻度も減ります。同じ言葉を人によって少しずつ違った定義で使ってしまうことも減らせてコミュニケーションの精度もあがります。
本記事では”小さく始めるナレッジマネジメント”、用語集(Glossary)のつくり方を紹介します。
用語集の作成ツール
特に作成ツールに指定はありません。
用語が少なければWindowsのメモ帳でも大丈夫です。
語数が数十件を超えて多くなってきたり、カテゴリーなどを設けて検索性をよくするには、Excel、Googleスプレッドシートを使います。
扱う用語説明に図解が必要な場合はパワーポイントを使うこともあります。
蛇足:広くとらえるといろいろな用語集がある
IT用語辞典 e-Wordsのように用語を解説したWebサイトもありますし、Wikipediaも用語集です。GoogleやYahooといった検索エンジンも知りたい用語を入力して解説記事を得るわけですから用語集ともいえます。
当ブログも以下のように用語集的な記事があります。
用語集に必要な項目の例
Excelで管理する用語集では以下のような項目を設けます。
- ID
- 用語(日、よみがな)
- 用語(英)
- 用語説明
- カテゴリー
- 同義語/関連語
- 記入者
- 記入日(更新日)
日英の両項目を用意しておくと、ドキュメントの翻訳辞書としても使えます。
英語などで略語があった場合に正式名称を書いておくと、それだけで意味が類推できることもあります。
似た言葉は同義語や関連語として記載しておくと理解が進みます。
記入者を書いておくと、用語定義に対して疑問が出たときに問い合わせることができます。
記入日を書いておくと定義が古くなってないか見極めるのに役立ちます。
用語集の共有方法
作成した用語集は必要な人が必要な時に参照できるよう共有します。
社内ポータルサイトやファイルサーバー、共有のグループウェアやシェアドライブ上で、最新版の用語集を公開しておきます。
Slackとかを共有ツールに使っている場合は、botに仕込んでおくと「xxとは?」と投稿すると自動で用語解説させることができるので便利ですね。
用語集のメンテナンス
作成した用語集は、使った人のフィードバックと作成した人の定期的なメンテナンスにより鮮度を維持して育っていきます。
用語を参照した人が、わかりやすかった点や、わかりにくかった点、どんな補足説明があるとわかりやすくなるかをフィードバックすることは重要です。
また、作成した用語集を維持し成長させていく担当やチームを設けることも鮮度維持には欠かせません。
用語集をつくるメリット
ドキュメントの英訳や日本語訳の品質と生産性の向上につながります。
既存メンバと新規メンバの間の問合せや説明やりとりが減り、本業に専念できます。
基礎知識の底上げができ、ミスコミュニケーションも減り、業務品質の向上が見込めます。
業務の標準化や可視化につながり、自身の仕事力アップや、より強い組織づくりに役立ちます。