元外資系コンサルのガラクタ箱

上辺だけの仕事とみなされてしまう原因と対策

上辺だけの仕事をしてたらだめよって言われたことありますか?私はあります。

自身での詳細な理解をすっとばして事例や解決策を紐づけて作った資料はまさに上辺の仕事です。

もちろん常に100%専門領域ということはありませんし、専門家の力を借りながら資料を完成させることは決して珍しくありません。

とはいえきちんと仕事をやり遂げると相手にも満足され、次の仕事も依頼されます。上辺だけの仕事をしているとトラブルやクレームのもとにもなりますし、相手の満足も得られず、次の依頼が来なくなるかもしれません。

上辺だけの仕事は何がまずいか

shinさんのブログ記事によい例があります。

上辺だけの仕事をしても全く意味はないよって話

コンフィグ例を真似して設定して仮にうまくいっても、実際にパラメータの意味を理解していないと現場で何かあった場合に全く対処できなくなってしまいます。

他人に資料だけもらってそれっぽくプレゼンしても、問合せに回答できないのも同じです。20枚の資料の裏には、その流れを裏づけたり結果的に没になった検討ページがたくさんあるはずです。

そこまで把握しておかないと、その資料の説明を受けて実際にアクションする相手とは対等に話せません。

意識だけで上辺グセはなくせるか

とはいえ上辺で仕事をしようとしてる人なんてそんなにたくさんいるでしょうか。横着しようとしていて、バレたか!ということで対処できる方は続きを読む必要はありません。本人としては精一杯深めたつもりなのに、上辺だけで仕事をするなと言われる原因はどこにあるか考えてみたいと思います。

上辺だけの仕事とみなされる原因

上辺が生じる原因は2つあります。経験不足か想像力不足のいずれかあるいは両方です。想像力には個人差があるので、経験不足を補える人もいれば、人一倍経験値を必要とする方もいます。特に対応者より依頼者の想像力が上回っていると、なぜこんなことも想定していないのか?手を抜いているのではないかと感じてしまいます。依頼者なりに対応者の経験値から推し量り、もっとできてもよいはずという判断を下すのです。

上辺で止めず仕事を深める方法

上辺で止めないためにはまず自分で精一杯深めようとすることが大事です。その際に制約となる、期限や使える時間はいったん取り払ってみることをおすすめします。依頼者の指定した作業範囲や期限、工数はあくまで期待値です。その期待を受け止めたら今度はそれを対応者側として咀嚼して回答するべきです。依頼者から受けた情報の一つ一つを丁寧に咀嚼し、アウトプットとそれを生み出すプロセスを組み立てます。生み出すプロセスにばかり目が行きがちですが、アウトプットを依頼者がどう使うかを想像することも重要です。こうして自分なりに深めようとして不明な点があるならきちんと確認しながら進めることが上辺に止まらないための愚直ながら確実な方法です。

依頼者と自分だけで進まない時の協力者の存在

とはいえ、依頼者はいったん依頼した後は、ある程度は対応者に預けたいのも本音です。

依頼者に問合せてもうまく進まなそうな時、あるいは依頼者が忙しくて時間が経ってしまいそうな時には、別の協力者を探すのが得策です。

依頼の受け渡しが不適切かどうか客観的に見てもらえるメリットもありますし、対応者の困っている点をより身近に理解してくれる場合もあります。

協力者は一人でなくても構いません。規模や難易度が上がると複数人でやり遂げる仕事が大半になります。

上辺で終わらせないためには、最終的に依頼者に届けるまでの自分の作業と協力者との作業を含めて組み立てることで、一人ではできない仕事を進めることが可能になります。

終わりに

上辺かどうかは客観的な判断もありますが、相手との信頼関係による部分もあります。お互いのことを知らない場合は誤解を生まないよう最初のコミュニケーションに注意するとよいと思います。

上辺で仕事するなと言われて悩んでいる人の役に立てば嬉しいです。

mhisaeda

電子書籍「システム導入のためのデータ移行ガイドブック」著者。

新卒から外資系コンサルティングファームに所属。15年に渡り販売物流、特にCRM領域のコンサルティングに従事。 100名を超えるプロジェクトのPMOなど全体を推進していく役回りや、ユーザ企業への出向を通じた実務経験を持つ。

このブログでは、自身がかき集めた知識や経験を共有する。クライアントへの提案やソリューション開発に直結しないガラクタのようなもの。将来再利用する自分のために。同じような悩みを抱える誰かのためにブログ「元外資系コンサルのガラクタ箱」を運営。

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